リセットの儀式

春日武彦
本人は、病人として扱われていることで、病人人格になってしまっているし。病人として生きるというのは、ある意味でラクな部分もあるわけですよね。

病人なら立つ瀬があるし、それなりに承認されるし、ラクな部分もあるから、そういう立場に慣れている患者はものすごく多い。しかも、それで生活保護も受けていたとしたら、そこから抜け出すのは容易じゃないですよね。

考え方によっては、生活保護を受けたら、ラクはラクじゃないですか。だけど、人が生活保護を受けないのは、恥ずかしいとか情けないとか、そういう気持ちがあるからだけど、一旦そこを突破してしまったら、もう怖いものなんてなくなってしまうんだよね。

そういう意味では、精神科の敷居を低くしたせいで、生き方を間違えさせてしまったというのはものすごく大きいと思います。生活保護が緊急避難じゃなくなってしまっていますね。

>「他に、現代型うつの特徴は何かありますか?」

あと僕が感じるのは、現代型うつは“リセットの儀式”みたいなところがあるということですね。

現代型うつは長期間休む必要が出てくるので、会社を辞めざるを得なくなります。そこで、普通なら会社を辞めることに焦るはずなんだけれど、意外とみんな簡単に辞めるし、辞めた後、再就職する時には、就職先が格落ちすることが多いけれど、意外と平気な顔をしていて悔やまないんだよね。

自己実現に近い形にはなっていないんだけど、みんなどこか清々した顔をしていて、給料が下がったとか、格落ちしたということを嘆き悲しむ人は意外と少ないんです。

それを見ていると、本来なら、学生時代とか、もっと若いうちに自分探しでジタバタするべきタイミングが後の方に繰り越してきている感じですね。

とりあえず就職して、割といい会社に入ったけれども、何となくこれは自分の本来の姿じゃない、みたいに思うようになって、そこからうつっぽくなって会社を辞めて清々している、みたいな。

どこか通過儀礼というか、本当の自分らしさを選び直す“リセットの儀式”みたいなところがあるような気がするんですね。

こんなことは普通なら言い出せないし、自分でも認めたくないし、周囲も許さないけれど、“うつ”という手段によって、リセットすることを儀式化している人が結構多いような気がします。
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肩書き:代表戸締役 独りサク飯研究会員 所属政党:自由飲酒党 好きな唄:民生の「息子」 <<【東北人魂】仙台遷都、福島東北オリンピックの実現へ。>> 都心型仙人を目指してはいます

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